この記事でわかること
- 「「AIでシフトを自動作成」——この言葉に対する温度感は、現場の規模によって驚くほど違います。シフッタ編集部が実施した400名アンケート調査では、ワーカー30名前後を境にAIへの態度が劇的に変わることが明らかになりました。
- 10名以下の小規模現場では45%が「AIシフト作成を知らない」と答える一方、31〜50名規模では試行率が48.8%まで跳ね上がり、101〜200名規模では54.3%が試行済みという結果に。さらに、AIへの「不安の中身」も小規模と大規模ではまったく異なります。本記事では、シフト作成対象人数別の解像度で、AIシフト作成の現在地を読み解きます。
- 調査名: シフト作成業務の実態調査2026
- 調査対象: シフト作成・管理業務に関わる管理職・現場リーダー・実務担当者
- 調査方法: オンラインアンケート
- 実施時期: 2026年4月
- 有効回答数: 400名(スクリーニング1,459名から抽出)
サマリー:規模別に見る5つの発見
- AI試行率はシフト30名規模で約4倍に跳ね上がる:〜10名で13.6%、11〜20名で18.0%、21〜30名で24.4%だが、31〜50名で48.8%、101〜200名で54.3%へ急増。
- 「AIを知らない」率は50名で激減:〜10名で44.9%、11〜20名で40.4%が「知らない」。51名以上では1割程度。シフト規模30〜50名がAI認知の境界線。
- 不安の中身が規模で変わる:小規模(〜30名)は「精度が信用できない」が1位の技術不安、中〜大規模(51名超)は「責任の所在が不明」「導入運用の難しさ」という組織不安が1位。
- 試した人と試していない人で期待値に大差:AI試行経験者は「期待しない」わずか0.9%、未試行者は20.8%。試すこと自体が態度を変える。
- 大規模ほどChatGPTを肯定的に評価:101〜200名規模では肯定率83.3%、201名以上でも83.3%。試行経験が複雑な現場ほど評価が高い。
シフト規模30名がAI関心の境界線
「『AIによるシフト自動作成』を試したことがあるか」を聞いた結果を、シフト対象人数別に分解すると、規模ごとの大きな差が見えてきました。
| シフト対象人数 | n | ChatGPT試行 | AI専用ツール試行 | 知っているが未試行 | 知らない | 試行合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 〜10名 | 118 | 9.3% | 4.2% | 41.5% | 44.9% | 13.6% |
| 11〜20名 | 89 | 4.5% | 13.5% | 41.6% | 40.4% | 18.0% |
| 21〜30名 | 41 | 9.8% | 14.6% | 46.3% | 29.3% | 24.4% |
| 31〜50名 | 43 | 23.3% | 25.6% | 32.6% | 18.6% | 48.8% |
| 51〜100名 | 36 | 22.2% | 27.8% | 38.9% | 11.1% | 50.0% |
| 101〜200名 | 35 | 17.1% | 37.1% | 34.3% | 11.4% | 54.3% |
| 201名以上 | 38 | 15.8% | 28.9% | 39.5% | 15.8% | 44.7% |
注目すべきは、21〜30名から31〜50名にかけて、試行合計が24.4%から48.8%へほぼ倍増している点です。シフト規模30名前後は、AIへの態度が変わる明確な境界線になっています。
〜10名規模:45%が「AIを知らない」段階
最も小規模な「〜10名」ゾーンでは、約45%が「AIシフト作成を知らない」と回答。この層では、Excelや紙での運用が中心で、AIシフト作成というカテゴリ自体がまだ視野に入っていないケースが多いと考えられます。
11〜30名規模:気になっているが踏み出せない
11〜30名規模では、「知っているが未試行」が40〜46%と最多。「気になっているが、まだ試していない」層が最も厚いゾーンです。この層へのアプローチは、無料体験や資料ダウンロードで試行のハードルを下げることが効果的と考えられます。
31〜50名で半数がAIを試している
シフト規模が31名を超えると、状況は一変します。31〜50名で試行率48.8%——半数がAIを試している計算で、20名以下と比べて約2.5〜3倍の試行率です。この層では「Excelの限界を感じている」ケースが多く、AIに対する関心度が高くなっていると推察されます。
51〜200名でAIが当然の選択肢に
51〜100名で50.0%、101〜200名では54.3%と、半数以上がAIを試行済み。「知らない」率は11%前後まで低下し、AIシフト作成は当然検討すべき選択肢として認識されています。
201名以上で再び試行率が下がる謎
興味深いのは、201名以上の超大規模で試行率が44.7%まで下がる点です。理由としては、超大規模現場ではすでに大手ベンダーの専用システム(アールシフトなど)を導入済みで、AI機能の追加検討まで至っていない可能性があります。あるいは、複数事業所を束ねる本部担当者が中心で、現場での試行実態を完全には把握していない可能性も考えられます。
AIへの「期待」も規模で違う
シフト規模別に「AIシフト作成への期待TOP3」を比較すると、規模ごとに重視されるポイントが違うことがわかります。
〜10名規模:期待しない25.4%が高い
| 期待 | 割合 |
|---|---|
| 作成時間の短縮 | 42.4% |
| 公平性の担保 | 25.4% |
| 期待しない | 25.4% |
| 法令の自動チェック | 16.1% |
10名以下の小規模では、「期待しない」が25.4%と4人に1人にのぼり、AIへの慎重姿勢が顕著です。
31〜50名規模:公平性が時間短縮を超える
| 期待 | 割合 |
|---|---|
| 公平性の担保 | 51.2% |
| 作成時間の短縮 | 41.9% |
| 希望反映の精度 | 30.2% |
| 属人化解消 | 18.6% |
31〜50名規模では、公平性の担保(51.2%)が時間短縮(41.9%)を上回る唯一のゾーン。スタッフ間の不公平感が顕在化しやすく、AIで構造的に解決したいという期待が表れています。
51〜100名規模:希望反映と法令自動チェックが急上昇
| 期待 | 割合 |
|---|---|
| 作成時間の短縮 | 44.4% |
| 公平性の担保 | 44.4% |
| 希望反映の精度 | 41.7% |
| 法令の自動チェック | 33.3% |
| 繁忙期予測 | 33.3% |
51〜100名規模では、希望反映の精度(41.7%)と法令自動チェック(33.3%)が急上昇。複雑な制約と多人数の希望を同時に処理する難しさが、AIへの具体的な期待となって現れています。
201名以上:法令自動チェックが3割超
201名以上の超大規模では、「法令の自動チェック」34.2%と「希望反映の精度」34.2%が並び、コンプライアンス対応への期待が顕著です。
AIへの「不安」の中身が規模で激変する
最も興味深いのは、AIへの不安の中身が規模で大きく変わる点です。
〜30名規模:技術不安(精度・コスト)が1位
小規模・中規模の前半では、「精度が信用できない」「コスト」といった技術・費用面の不安がトップに立ちます。
| 規模 | 1位の不安 | 割合 |
|---|---|---|
| 〜10名 | 精度が信用できない | 26.3% |
| 11〜20名 | 従業員の理解 | 29.2% |
| 21〜30名 | 精度が信用できない/コスト | 31.7% |
31名以上:組織不安(責任・運用)が1位に変わる
31名を超えると、不安の中身が「責任の所在」「導入運用の難しさ」「従業員の理解」といった組織的・運用的な懸念へとシフトします。
| 規模 | 1位の不安 | 割合 |
|---|---|---|
| 31〜50名 | 従業員の理解 | 34.9% |
| 51〜100名 | 責任の所在が不明/導入運用難しい | 38.9% |
| 101〜200名 | 責任の所在が不明 | 45.7% |
| 201名以上 | 責任の所在が不明 | 36.8% |
101〜200名規模で「責任の所在が不明」が45.7%——AI導入が現実味を帯びる規模ほど、「AIが作ったシフトでミスがあった場合、誰が責任を取るのか」という統治・ガバナンスの問題が前面に出てきます。
これは重要な示唆を含んでいます。AI導入を検討する大規模現場では、ベンダー側が「精度が高い」と訴求するだけでは不十分で、運用ルール・責任体制・従業員への説明責任といった「組織への落とし込み」を支援できるかが選定の決め手となります。
ChatGPTの試行結果も規模で違う
ChatGPTでシフト作成を試した49名に「結果はいかがでしたか」と聞いた結果を、規模別に見ると次のようになりました(n数が少ないため参考値含む)。
| 規模 | n | 期待以上 | 実用レベル | 参考になった | 肯定率(期待以上+実用) |
|---|---|---|---|---|---|
| 〜10名 | 11 | 9.1% | 45.5% | 45.5% | 54.5% |
| 11〜20名 | 4* | 0.0% | 25.0% | 75.0% | 25.0% |
| 21〜30名 | 4* | 75.0% | 25.0% | 0.0% | 100.0% |
| 31〜50名 | 10 | 0.0% | 20.0% | 80.0% | 20.0% |
| 51〜100名 | 8 | 12.5% | 25.0% | 62.5% | 37.5% |
| 101〜200名 | 6* | 50.0% | 33.3% | 16.7% | 83.3% |
| 201名以上 | 6* | 66.7% | 16.7% | 16.7% | 83.3% |
*n=10未満は参考値
サンプル数の制約はあるものの、101名以上の大規模現場ではChatGPTを「期待以上」と評価する割合が50〜66%にのぼる点は注目に値します。複雑な制約を抱える大規模現場ほど、ChatGPTの「考え方」や「叩き台生成」の価値を高く評価していると推察されます。
一方で、11〜50名規模では「参考になった」が中心で、「期待以上」「実用レベル」は限定的。中規模では制約が複雑化する一方で、ChatGPTの能力が追いつかず、「使えるが頼り切れない」状態になっていると考えられます。
試行経験が態度を変える:「期待しない」が0.9%対20.8%
AIシフト作成への態度は、「試行経験の有無」で劇的に変わります。
| 期待 | AI試行経験あり (n=117) | AI試行経験なし (n=283) |
|---|---|---|
| 作成時間の短縮 | 41.0% | 45.2% |
| 公平性の担保 | 47.9% | 35.3% |
| 希望反映の精度 | 34.2% | 18.7% |
| 法令の自動チェック | 32.5% | 15.9% |
| 属人化解消 | 23.1% | 13.1% |
| 期待しない | 0.9% | 20.8% |
最大の違いは「期待しない」の割合で、試行経験者では0.9%(ほぼゼロ)、未試行者では20.8%。一度AIを試した人は、ほぼ全員が何らかの期待を持つようになります。
さらに、試行経験者は「公平性の担保」「希望反映の精度」「法令の自動チェック」「属人化解消」といったより具体的な期待を持つ傾向があります。一度試すと、AIで何ができるかのイメージが具体化し、自分の業務における活用シーンが見えてくるためと考えられます。
つまり、AIシフト作成への態度を変える最大のレバーは、「説明を聞くこと」ではなく「実際に触ってみること」。「気になっているが試していない」状態の方は、まず一度無料体験などで触ってみるのが、現状を変える最短距離です。
自社のシフト規模で考えるAIシフト作成の活かし方
ここまでの分析を整理すると、シフト規模ごとに「AIシフト作成への向き合い方」が見えてきます。
| シフト規模 | AI試行率 | 主な悩み・不安 | 自社で考えるべきこと |
|---|---|---|---|
| 〜10名 | 13.6% | 「AIで何ができるか分からない」 | まずは存在を知る/無料ツールを試してみる |
| 11〜30名 | 18-24% | 精度への不安・コスト懸念 | 小さく試して効果を実感する |
| 31〜50名 | 48.8% | 従業員の理解をどう得るか | 試行→運用設計まで踏み込む |
| 51〜100名 | 50.0% | 責任所在・運用ルール | 導入時の業務フロー設計 |
| 101〜200名 | 54.3% | 責任の所在が不明 (45.7%) | 責任体制と組織展開の設計 |
| 201名以上 | 44.7% | 既存システムとの統合 | 段階的な移行計画 |
シフト規模30名以下の方は、まずは「AIシフト作成というカテゴリがあること」を知るところから始めてOKです。30名を超える規模であれば、すでに約半数が試行している状況なので、自社が比較・検討フェーズにいない場合は、業界平均から遅れている可能性があります。
AIシフト作成ツールを選ぶときに知っておきたいこと
AIシフト作成ツールには、技術アプローチによって汎用AI(ChatGPT等)、ルールベース型ツール、数理最適化型ツール、AI×数理最適化のハイブリッド型といったタイプがあります。本調査で明らかになった期待・不安に応えられるかは、技術アプローチによって異なります。
| 種類 | 強み | 限界 |
|---|---|---|
| 汎用AI(ChatGPT等) | 試しやすい・思考の壁打ちに使える | 制約条件を厳密に守れない・運用システムにはならない |
| ルールベース型 | 設定したパターンで一括作成 | 制約が複雑になると対応しきれない |
| 数理最適化型 | 複雑制約も厳密に最適化 | 設定画面が複雑で属人化しやすい |
| AI×数理最適化ハイブリッド | チャットで設定+制約厳守 | 比較的新しいカテゴリで選択肢が限定的 |
最も新しいカテゴリの「AI×数理最適化ハイブリッド型」は、チャットで条件を伝えるだけで、数理最適化エンジンが制約を厳密に守りながら最適なシフト表を生成する仕組みで、本調査で見えた期待(時間短縮・公平性・希望反映精度)と不安(精度・運用の難しさ)の両方に応えやすい設計です。
このカテゴリのツール例:シフッタ
シフッタは、AI×数理最適化ハイブリッド型のシフト管理ツールです。
- チャットで条件指定:「夜勤は3人配置」「Aさんは土日休み」など、自然言語で条件を伝えるだけ。専用画面の操作不要
- 数理最適化エンジン:必要人数・スキル・有資格者配置・連勤制限・公平性などの複数制約を同時に満たす最適解を自動生成
- スマホ対応:スタッフはスマホで希望提出・確認が完結
- 業種を問わず対応:医療の看護配置基準、介護の人員配置基準、製造の3交代制など、19種類の制約条件を組み合わせて業種固有の複雑制約にも対応
- ヘルプ募集と代替提案:急な欠勤時にAIが代替候補を自動提案
「気になっているけれど、まだ試していない」40%層の方には、まず無料の資料ダウンロードで仕組みを見ていただくのがおすすめです。本調査が示すように、一度AIを試した方は「期待しない」気持ちが0.9%まで下がり、ほぼ全員が何らかの期待を持つようになります。
まとめ
400名アンケート調査から見えたAIシフト作成の本音は、「シフト規模で景色が大きく変わる」ことに尽きます。
- シフト規模30名がAI関心の境界線——〜10名は45%が「知らない」、31〜50名で試行率48.8%へ倍増、101〜200名では54.3%が試行済み
- 不安の中身が規模で変わる——小規模は「精度・コスト」の技術不安、大規模は「責任所在・組織展開」の運用不安
- 試した人は態度が変わる——AI試行経験者は「期待しない」わずか0.9%、未試行者は20.8%
「AIシフト作成は気になっているが、まだ試したことがない」という方は、本調査の40%層と同じステージにいます。この層を抜け出すには、説明を聞くより実際に触ってみるのが最も効果的です。自社のシフト規模が30名を超えているなら、業界平均ではすでに半数が試行している段階。情報収集だけで終わらせず、無料体験やデモで一度仕組みを体感することをおすすめします。
シフト管理ツール全体の比較はシフト自動作成アプリおすすめ8選比較【2026年版】、AI特化型の比較はシフト作成AIの選び方|3類型で整理する選定ガイドもご参照ください。