この記事でわかること
- 「ChatGPTでシフト表を作れるらしい」。そんな話を耳にしたことはありませんか? 気になるけど、本当に使いものになるのかわからない。自分の職場で試して失敗したら、結局いつも通り手作業に戻るだけ——。 そこで今回、実際にChatGPTに2パターンのシフト作成を依頼し、出力されたシフト表を1つ残ら
「ChatGPTでシフト表を作れるらしい」。そんな話を耳にしたことはありませんか?
気になるけど、本当に使いものになるのかわからない。自分の職場で試して失敗したら、結局いつも通り手作業に戻るだけ——。
そこで今回、実際にChatGPTに2パターンのシフト作成を依頼し、出力されたシフト表を1つ残らずチェックしました。飲食店の20名シフトと、病棟の50名シフト。結果は、良い意味でも悪い意味でも予想外でした。
シフト作成、何が大変なのか
AIの話に入る前に、そもそもシフト作成の何が大変なのかを整理しておきます。「わかってるよ」という方は、次の章まで飛ばしてください。
時間がかかりすぎる
私たちがユーザーインタビューで聞いた中には、1ヶ月分のシフト作成に20時間以上かけている企業もありました。
スタッフの希望休を集め、配置ルールを確認し、パズルのように組み合わせて、「あ、ここ足りない」と気づいてやり直す。この繰り返しに膨大な時間がかかっています。
担当者しか作れない
「シフト作成はAさんにしかできない」。この状態は多くの職場に当てはまります。
どのスタッフがどの時間帯に入れるか、誰と誰を同じシフトにしてはいけないか、法令で決まっている最低人数は何人か。こうした情報が担当者の頭の中にしかないため、その人が休むとシフトが作れなくなります。
ミスが許されない
飲食店で人数が足りなければお客様に迷惑がかかります。医療現場で配置基準を下回れば、行政指導の対象になります。保育園で保育士の人数が足りなければ、子どもの安全に関わります。
シフト作成は「間違えても直せばいい」では済まない仕事です。
AIの進化で「シフト作成」が変わりつつある
ChatGPTをはじめとするAIの進化は、この1〜2年で急激に進みました。
以前は「AIにシフトを作らせても、結局手直しだらけ」という評価が一般的でした。しかし2026年現在、AIの精度はかなり上がっています。
ただし、ネット上には「ChatGPTでシフトが作れます!」と紹介する記事が多い一方で、実際にどこまでできて、どこからが難しいのかをデータで検証した記事はほとんどありません。
そこで今回、2つのパターンで実験してみました。
【実験】ChatGPTにシフトを作ってもらった
やったこと
ChatGPTに以下の情報を渡して、「2026年5月の1ヶ月分のシフト表を作ってください」と依頼しました。
- スタッフの一覧(名前、雇用形態、担当ポジション)
- シフトの種類と時間帯
- 各スタッフの希望休
- 1日あたりの必要人数
- 守ってほしいルール(制約条件)
データはすべてCSVファイル(Excelのようなもの)で用意し、ルールはテキストで細かく指示しました。
出力されたシフト表は、ChatGPTの「チェックOK」を鵜呑みにせず、すべてのルールを1つずつプログラムで自動チェックしています。
実験は「緩めの条件」と「厳しめの条件」の2パターンで行いました。
実験A: 飲食店・20名のシフト
条件の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | 飲食店 |
| スタッフ数 | 20名(正社員12名・パート8名) |
| ポジション | ホール / キッチン |
| シフトの種類 | 早番 / 遅番 / 通し |
| 1日の必要人数 | 平日12名 / 土日祝14名 |
| ルール数 | 8個 |
設定したルールは、「正社員は月22日以上出勤」「全シフトに正社員を1名以上」「連続勤務は5日まで」「希望休は必ず守る」といった、飲食店では一般的な内容です。
結果: 8個中7個のルールをクリア
| ルール | 結果 |
|---|---|
| 正社員の出勤日数 | OK |
| パートの出勤日数 | OK |
| 平日の必要人数 | **NG** |
| 土日祝の必要人数 | OK |
| 全シフトに正社員配置 | OK |
| 連続勤務5日以内 | OK |
| 希望休の遵守 | OK |
唯一のNGは、GW期間のホール人数不足でした。5月3日〜5日にかけて、ホール担当の半数が希望休を出していたため、物理的に必要人数を満たせなかったのです。
これはChatGPTの計算ミスではなく、条件同士の矛盾です。面白いことに、ChatGPTは自分で矛盾に気づき、「この条件では全ルールを満たすシフトは作れません」と報告してきました。
ただし「じゃあ誰の希望休をずらしましょうか」という提案まではしてくれません。矛盾の発見はできても、解決の交渉は人間の仕事です。
ChatGPTがこの実験にかけた時間は約5分30秒でした。
実験B: 病棟・50名のシフト(三交代制)
条件の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | 内科病棟(40床) |
| スタッフ数 | 50名(正看護師25名・准看護師10名・看護補助者15名) |
| シフトの種類 | 日勤 / 準夜勤 / 深夜勤 |
| 1日の必要人数 | 日勤12名(平日)/ 準夜勤3名 / 深夜勤3名 |
| ルール数 | 18個 |
実験Aとは比べものにならない複雑さです。ルール数が8個から18個に増えただけでなく、内容も格段に難しくなっています。
たとえば、こんなルールです。
- 資格別の配置基準(日勤には正看護師7名以上+准看護師or補助者5名以上)
- 深夜勤の翌日は必ず休み
- 準夜勤の翌日に日勤を入れてはいけない(勤務間インターバルの確保)
- 夜勤は1人あたり月8回まで
- 育児中・妊娠中のスタッフは日勤のみ
- 新人が夜勤に入るときは、経験豊富な正看護師と同じシフトに入れる
- 夜勤帯にはリーダー格のスタッフを必ず1名配置する
結果: 18個中17個のルールをクリア
| カテゴリ | ルール | 結果 |
|---|---|---|
| 公休 | 月8日の公休 | **NG** |
| 公休 | 師長は平日日勤のみ | OK |
| 配置基準 | 平日・日勤の人数 | OK |
| 配置基準 | 土日祝・日勤の人数 | OK |
| 配置基準 | 準夜勤の人数 | OK |
| 配置基準 | 深夜勤の人数 | OK |
| 勤務間隔 | 深夜勤の翌日は休み | OK |
| 勤務間隔 | 準夜勤→翌日日勤の禁止 | OK |
| 勤務間隔 | 深夜勤→翌日準夜勤の禁止 | OK |
| 労務 | 夜勤は月8回まで | OK |
| 労務 | 連続勤務5日以内 | OK |
| 個人別 | 育児中スタッフは日勤のみ | OK |
| 個人別 | 妊娠中スタッフは日勤のみ+連続3日以内 | OK |
| 個人別 | 夜勤不可スタッフは日勤のみ | OK |
| チーム編成 | 新人夜勤に経験者を配置 | OK |
| チーム編成 | 夜勤リーダーを配置 | OK |
| 医療安全 | 夜勤に正看護師を必ず配置 | OK |
| 希望休 | 全員の希望休を遵守 | OK |
唯一のNGは、妊娠中のスタッフの公休が指定より1日多かったこと。「日勤のみ+連続勤務3日以内」というルールを守ろうとした結果、公休を1日多めに取る形になっていました。安全側に寄せた判断とも言えます。
ChatGPTがこの実験にかけた時間は約6分30秒。実験Aからわずか1分増えただけで、スタッフ数は2.5倍、ルール数は2倍以上です。
正直なところ、ここまでできるとは思っていませんでした。
ChatGPTだけでは難しくなるポイント
ここまでの結果だけを見ると、「ChatGPTで十分じゃないか」と思うかもしれません。実際、条件がシンプルなうちはそれで回ります。ただ、現場の条件が複雑になるにつれて、いくつかの壁が見えてきます。
条件を準備すること自体が大変
今回の実験で一番苦労したのは、ChatGPTにシフトを作らせることではなく、正しい条件データを準備することでした。
今回は「月の必要人数は平日12名、土日祝14名」というシンプルな設定でしたが、実際の現場ではもっと細かい条件があるはずです。
- 曜日ごとに必要人数が違う(月曜は混むから多め、水曜は少なめ)
- 時間帯ごとの人数(ランチ帯は3名、ディナー帯は5名、仕込みの朝は2名)
- 週ごとの繁閑差(月末は忙しい、GW明けは暇)
- スタッフのスキルレベル(調理ができるパートとできないパートで配置が変わる)
こうした条件を漏れなくテキストで伝えるのは、なかなか骨の折れる作業です。
さらに、条件同士が矛盾していることに気づかないケースもあります。実験Bでは、最初に用意した条件にルール同士の矛盾が3つあり、ChatGPTに指摘されて修正する往復が発生しました。現場の担当者が「なんとなく頭の中で考慮していること」を正確に言語化すること自体が、シフト作成と同じくらい大変な作業です。
希望休の回収やシフトの配布はどうする?
ChatGPTができるのは、あくまで「条件を受け取って、シフト表を計算する」ところだけです。
シフト作成の業務全体を考えると、その前後にも多くの作業があります。
- スタッフから希望休を集める
- 完成したシフト表をスタッフに共有する
- 急な欠勤が出たときにシフトを組み替える
- 「このシフト替わってほしい」という交渉に対応する
これらはChatGPTの守備範囲外です。結局、LINEやメール、紙で別途対応することになります。シフト表の「計算」だけをAIに任せても、前後の業務フローが手作業のままだと、トータルの負担はあまり変わらないかもしれません。
ある程度の複雑さで限界が来る
今回の実験では「早番・遅番・通し」「日勤・準夜勤・深夜勤」という固定パターンのシフトを扱いました。ChatGPTはこれをうまく処理してくれました。
ただ、飲食店やコールセンターのように「9:00〜13:00」「17:00〜22:00」といった時間単位のシフトを扱う場合、複雑さは一気に跳ね上がります。固定パターンなら選択肢は3〜4種類ですが、時間単位になると組み合わせが膨大になります。
また、毎月の運用を考えると別の課題も出てきます。ChatGPTはセッションをまたぐと前回の設定を忘れるため、毎月最初から条件を入力し直す必要があります。同じ条件を渡しても毎回違う結果が返ってくるので、品質の安定も保証されません。スタッフが1人変わっただけでも、条件の修正からやり直しです。
シフト作成専用ツールという選択肢
ChatGPTで「AIにシフトを任せる感覚」をつかんだ上で、次のようなことを感じたら、専用のシフト管理ツールが選択肢に入ってきます。
- 条件が複雑になり、毎回プロンプトで伝えるのが手間になった
- 時間単位のシフトや、日ごとの細かい人数設定が必要になった
- 希望休の回収からシフト配布まで、一つの仕組みで管理したい
- 毎月の条件入力やチェックの手間を減らしたい
シフト管理アプリの比較はこちらも参考にしてみてください。
シフッタなら、募集から配布・調整まで一気通貫
私たちシフッタは、まさにこの「ChatGPTだけでは難しいポイント」を解決するためにサービスを作っています。
チャットでルールを伝えるだけで、AIがシフトを自動作成。 ChatGPTと同じように自然な言葉で条件を伝えられますが、裏側では数理最適化エンジンがルールを最も多く満たすシフト表を計算します。「このルールは守れた、このルールは守れなかった」を明確に回答するので、自分でチェックし直す必要がありません。
条件設計も簡単。 医療なら配置基準や夜勤明け休み、製造なら三交代の切替ルール、保育なら保育士の配置基準。業界ごとのテンプレートを用意しているので、1から言語化する必要はありません。
そして一番の違いは、シフト作成の「前後」もすべてシフッタの中で完結すること。 スタッフがスマホから希望休を提出し、AIがシフトを作成し、完成したシフトがスタッフのスマホに届く。急な欠勤が出たときの組み替えや、シフト交代の調整もツール内で対応できます。
ChatGPTでは「計算」しかできませんが、シフッタは希望休の募集 → シフト作成 → 配布 → 調整までをワンストップでカバーします。
| ChatGPT | シフッタ | |
|---|---|---|
| ルール設定 | 毎回テキストで入力 | 業界別テンプレート+チャット入力 |
| 希望休の募集 | LINE・メール等で別途対応 | スマホから提出 |
| シフト配布 | 別途対応 | スマホに自動通知 |
| 急な変更・調整 | 全部やり直し | ツール内で組み替え |
| 時間単位のシフト | 困難 | 対応可能 |
| 結果のチェック | 自分で確認が必要 | 自動でルール違反を検出 |
| 毎月の運用 | 最初からやり直し | 前月の設定を引き継ぎ |
まとめ
ChatGPTのシフト作成能力は、正直なところ予想以上でした。50名・18ルールという複雑な条件でも、ほぼすべてのルールを守ったシフト表を約6分半で出力しています。
一方で、実験を通じて見えてきたのは、シフト作成の大変さは「シフト表を作る計算」だけではないということ。条件を正しく整理すること、希望休を集めること、完成したシフトをスタッフに届けること、急な変更に対応すること。この「計算の前後」にある業務こそが、現場の本当の負担です。
まずはChatGPTで小さく試してみてください。自分の職場に「言語化されていないルール」がたくさんあることに気づけるはずです。
そして、希望休の募集からシフト配布・調整まで一気通貫で管理したいと感じたら、ぜひシフッタを試してみてください。