この記事でわかること

  • 「シフト管理ツール、検討はしたけど結局Excelに戻ってきた」——そんな経験を持つ管理者は少なくないはずです。SaaSベンダーが盛んに「自動化」「AI」を訴求する一方で、現場では今もExcelと紙が主役。このギャップは何によって生まれているのでしょうか。
  • シフッタ編集部はシフト作成・管理に関わる現役担当者400名にアンケート調査を実施し、実際にどのツールが使われているのか、ツールに対する満足度・不満・支払意欲を業種別・規模別に分析しました。本記事ではその結果を公開し、「なぜシフト管理ツールがなかなか普及しないのか」「どこで導入が進むのか」を読み解きます。
調査概要
  • 調査名: シフト作成業務の実態調査2026
  • 調査対象: シフト作成・管理業務に関わる管理職・現場リーダー・実務担当者
  • 調査方法: オンラインアンケート
  • 実施時期: 2026年4月
  • 有効回答数: 400名(スクリーニング1,459名から抽出)
  • 業種内訳: 医療72/介護39/保育7/製造60/物流18/飲食23/小売46/その他サービス業135

サマリー:ツール利用実態に関する3つの発見

  1. Excel率59.5%が依然として圧倒的1位。市販シフト管理ツール導入はわずか10.8%、AI機能付きツール利用は5.2%にとどまる。
  2. 「シフト管理ツールに支払う予定なし」が36.2%。10名以下の小規模現場では53.4%が支払い意欲ゼロで、市場の最大の壁。
  3. 規模が大きくなるほどツール導入が進む。10名以下では市販ツール0.8%、201名以上で26.3%と30倍以上の差。

利用ツールランキング:Excel・紙が依然として主役

「現在シフト作成に使っているツール」を聞いた結果(複数回答)は次のとおりです。

順位ツールカテゴリ利用率
1位Excel・スプレッドシート59.5%
2位紙・手書き22.2%
3位自社開発システム13.8%
4位LINE・チャットツール12.0%
5位市販シフト管理ツール10.8%
6位勤怠管理ツールのシフト機能7.0%
7位AI機能付きツール5.2%

注目すべきは、Excelと紙の運用が全体の8割を超えている点です。一方、専用ツール(市販+勤怠ツール+AI)の合計は約23%で、ベンダー側の発信から想像する数字よりはるかに低いことがわかります。

AI機能付きツールの利用率は5.2%。「AIシフト作成」が話題になっている割には、実用導入はまだまだこれからという段階にあります。逆に言えば、ここからの数年で市場が大きく動く可能性が高いカテゴリでもあります。

規模別:21名を超えるとExcelの限界が見える

シフト対象人数別に利用ツールを分解すると、規模によるツール選好の差が鮮明に出ました。

シフト対象人数Excel市販ツールAI機能
〜10名32.2%60.2%0.8%0.8%
11〜20名21.3%66.3%9.0%3.4%
21〜30名24.4%58.5%9.8%4.9%
31〜50名18.6%58.1%14.0%4.7%
51〜100名16.7%50.0%16.7%13.9%
101〜200名8.6%57.1%22.9%8.6%
201名以上13.2%55.3%26.3%13.2%

規模が大きくなるほど市販ツール導入率が伸びる傾向は明確で、10名以下の0.8%から201名以上の26.3%まで30倍以上の差があります。一方、Excelの利用率は規模が変わってもほぼ60%前後で安定しており、「ツールを導入してもExcelは併用される」状態が一般的であることもわかります。

注目すべきは51〜100名規模でAI機能利用率が13.9%まで跳ね上がる点です。この規模はExcelでは限界に近く、複雑な制約を扱う必要が出てくるサイズで、AIや数理最適化の効果が体感しやすいゾーンと言えます。

業種別:保育・小売・物流でExcel依存が顕著

業種別のツール利用状況には、業務特性が色濃く反映されました。

業種ExcelAI機能
医療20.8%52.8%9.7%
介護25.6%53.8%2.6%
保育(n=7)57.1%71.4%14.3%
製造13.3%46.7%6.7%
物流16.7%66.7%0.0%
飲食34.8%43.5%4.3%
小売23.9%69.6%2.2%

医療業界はAI機能利用率9.7%と他業種より高く、複雑な配置基準を抱えるがゆえに、AIの導入意欲が高い業界であることがうかがえます。一方、物流はAI利用ゼロ・Excel依存66.7%と、ツール化の遅れが目立ちました。保育は紙利用57.1%・Excel71.4%(重複あり)で、シフト管理のIT化がもっとも進んでいない業界の一つと言えます。

ツール満足度:平均5.43、4人に1人は「不満」

現在使用中のツールへの満足度を10点満点で聞いた結果、平均は5.43点。分布は次のとおりです。

満足度レンジ回答割合
低満足(1〜4)26.8%
中(5〜7)59.8%
高満足(8〜10)13.5%

約4人に1人がツールに低満足という結果は、Excel・市販ツール双方を含めた数字です。ツールを変えれば必ず満足できるわけではない一方、現状に強い不満を抱える層が一定数存在することは確かで、リプレイスの機会は常にあります。

ツール不満ランキング:時間削減できないが35.5%でトップ

「現在使用しているツールに対する主な不満」を聞いた結果は、ユーザーがツールに何を期待しているかを浮き彫りにしました。

順位ツール不満回答割合
1位作成時間が削減できない35.5%
2位属人化が解消されない24.2%
3位スマホ対応が不十分21.5%
4位AI機能がない17.5%
5位法令対応が弱い14.5%
6位コストが高い9.8%
7位操作が難しい8.2%
不満なし22.2%

1位「作成時間が削減できない」(35.5%)は、ツール導入の本来の目的が達成できていないという根本的な不満です。多くのツールは「シフト作成の効率化」を謳いますが、現場では「結局Excelで微調整する」「自動作成しても手で直す部分が多い」といった声が多く、効果実感に乏しいケースがあります。

2位「属人化が解消されない」(24.2%)も重要な不満です。「ツールを導入したのに、結局◯◯さんしか使えない」というのは、ツール選定の失敗パターンの典型です。操作が難解、設定が複雑、属人ルールに依存しすぎるといった要因が背景にあります。

4位「AI機能がない」が17.5%にのぼる点は、AI機能への需要が顕在化していることを示しています。前述のとおり、現状のAI利用率は5.2%にとどまっていますが、「AIがあれば使いたい」という潜在ニーズは少なくとも17.5%(実際にはもっと多いと推察)存在します。

月額予算:3人に1人が「支払う予定なし」

「シフト管理ツールに月額いくらまで支払えるか(1人あたり)」を聞いた結果は、市場の最大の壁を示すものでした。

月額予算(1人あたり)回答割合
〜300円6.8%
301〜500円11.2%
501〜1,000円19.8%
1,001〜2,000円14.8%
2,001円以上11.2%
支払う予定なし36.2%

3人に1人以上が「支払う予定なし」という結果は、シフト管理ツール市場の構造的な課題を示しています。ただし、この36.2%という数字は規模によって大きく変動します。

シフト対象人数支払予定なし501円以上OK
〜10名53.4%22.9%
11〜20名40.4%41.6%
21〜30名36.6%53.7%
31〜50名27.9%60.5%
51〜100名16.7%72.2%
101〜200名17.1%62.9%
201名以上18.4%60.5%

10名以下では53.4%が「支払い予定なし」ですが、51名以上になると16.7%まで激減します。シフト規模が大きくなるほど、ツールへの予算がつきやすくなる構造があるわけです。

逆に小規模現場の方は、「Excelでなんとかなっているうちに、属人化や法令対応の不備が静かに蓄積する」リスクと向き合う必要があります。「コストをかけたくない」気持ちは自然ですが、無料/低価格のツールから試してみることが、リスクの先送りを防ぐ一手になります。

自社の規模で変わる「次の一歩」

本調査の規模別データから、自社の状況に応じた次の一歩を整理します。

〜20名規模:エクセル運用の「賢い続け方」を考える

この規模ではExcelが依然として最適解になりやすいです。市販ツールの導入率は1割未満で、無理に導入する必要はありません。ただし、以下の3点はExcel運用でも仕込んでおきたい備えです。

  • テンプレートの整備と共有:個人ファイルを使わず、共有フォルダ・共有スプレッドシートで管理
  • 属人化対策:作成手順を文書化し、休暇・退職時に他の人が引き継げる状態を作る
  • 法令チェックの仕組み化:労働時間集計・36協定の上限・連勤制限などを、Excelの関数や条件付き書式でチェック

無料プランがあるツール(例:シフッタ)でお試し導入してみるのも、選択肢の一つです。

21〜50名規模:Excelの限界を見極める時期

シフト対象が20名を超えると、Excelでは制約条件の同時管理が難しくなります。この規模で「最近時間が増えた」「ミスが起きやすくなった」と感じているなら、ツール検討のタイミングです。

確認しておきたいポイントは次の3つです。

  1. 作成時間が月10時間を超えていないか(21〜30名規模では22.0%が月10時間超)
  2. 属人化していないか(誰かが急に休んでもシフトが回るか)
  3. 法令チェックは漏れなくできているか

これらに一つでも引っかかるなら、市販シフト管理ツールの検討を始めるべきタイミングです。

51名以上:「どのツールを選ぶか」が論点

51名以上では、ツール導入はもはや「するかしないか」ではなく「どれを選ぶか」のフェーズです。本調査では51名以上の72.2%が「501円以上の予算がある」と回答しており、予算面の壁は低くなっています。

選定軸としては、本記事の「ツール不満ランキング」で示されたTOP2——「作成時間が削減できない」「属人化が解消されない」——を解消できるツールを選ぶことが大前提です。複雑な設定画面・属人化を促すルール作り・効果が体感できない自動作成といった「失敗パターン」を避けることが、選定成功の最大のポイントになります。

ツール選びで失敗しないための3つの観点

本調査の不満ランキングは、そのままツール選定時の確認事項になります。実際にツールを比較・検討する際は、次の3つを必ずチェックしてください。

観点①:本当に作成時間が減るか(35.5%が「減らない」と回答)

「自動作成」と謳うツールは多いですが、現場では35.5%が「結局時間が減らない」と感じています。原因は次の3つに集約されます。

  • 設定が複雑すぎる:条件設定に時間がかかり、設定工数が削減効果を上回る
  • 微調整が必要:自動作成後にExcelで手直しが発生し、結局二度手間
  • 適用範囲が限定的:シンプルな条件しか扱えず、自社の制約をカバーできない

確認方法は無料体験で実際のシフトに近いケースを試すこと。1ヶ月分のシフトを作って、Excelとの所要時間差を測ってみましょう。

観点②:誰でも使えるか(24.2%が「属人化が解消されない」)

ツールを導入しても結局「あの人しか使えない」状態に陥るケースは多いです。

  • 専門用語の壁:ベンダー独自の用語や設定項目が理解しづらい
  • 設定画面の複雑さ:細かい設定が多く、初期設定を担当した人以外は触れない
  • マニュアル依存:分厚いマニュアルがないと使いこなせない

確認方法は、シフト作成経験のないスタッフ(事務員や管理職以外の方)に5分間操作してもらうこと。直感的に使えなければ、属人化リスクは高いままです。

観点③:スタッフ側の使い勝手はどうか(21.5%が「スマホ対応が不十分」)

シフト作成は管理者だけの問題ではありません。希望提出・確認・変更依頼などのスタッフ操作が不便だと、せっかく導入しても「LINEやメールで別途やり取り」が発生し、効率化になりません。

  • 希望提出はスマホで完結するか
  • LINE連携や専用アプリは選択できるか
  • 確定シフトの通知は自動化されているか

スタッフ側の使い勝手は、ツール選定で見落としがちなポイントです。自社のスタッフのITリテラシーや普段使いのツールに合わせて選ぶことが、定着率を大きく左右します。

チャット型AIツールという選択肢

本調査が示した3つの不満(時間削減できない・属人化が解消されない・スマホ対応が不十分)に対しては、新しいタイプのツールが登場しています。チャットで条件を伝えるだけのAI型シフト管理ツールです。

シフッタは、まさにこの3つの不満に正面から応えるツールとして設計されました。

不満シフッタでの対応
作成時間が削減できない(35.5%)チャット入力+数理最適化で組み合わせ調整を完全自動化
属人化が解消されない(24.2%)「夜勤は3人配置」「Aさんは土日休み」など自然言語で条件指定。専門知識不要
スマホ対応が不十分(21.5%)スタッフの希望提出・確認・変更がスマホで完結

「ツールを導入しても時間が減らない」「結局Excelに戻ってしまう」という経験のある方ほど、シフッタの仕組みを一度ご確認いただきたいと思います。

まとめ

400名アンケート調査から見えたシフト管理ツール利用実態は、次の3点に集約されます。

  1. Excel率59.5%が依然として主役。市販ツール10.8%、AI機能付きツール5.2%にとどまる
  2. シフト規模が「次の一歩」を決める。〜20名はExcel運用の最適化、21〜50名は導入検討の時期、51名以上はツール選定が論点
  3. 不満TOP2「時間削減できない」「属人化解消できない」を回避できるかが、ツール選定の最大のポイント

「自動作成」「AI」と謳うツールは増えていますが、本当に作成時間が減るか、誰でも使えるか、スタッフ側の使い勝手が良いかは、必ず無料体験で確認することをおすすめします。本調査の結果は、自社のツール選定における「外せない判断軸」として活用してください。

ツールカテゴリ全体の比較はシフト自動作成アプリおすすめ8選比較【2026年版】で詳しく解説しています。